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減価償却ってなに?アパートの計算例でやさしく解説

更新・約6分で読めます

この記事のまとめ

  • 減価償却は、建物などの買った金額を、決まった年数に分けて毎年の経費にする仕組みです。
  • 土地は減価償却しません。建物の耐用年数は、住宅用の木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年です。
  • 中古は「残りの年数」で計算するので、1年あたりの経費が大きくなります。
  • お金は出ていかないのに経費になるため、手残りと税金の両方に大きく関わります。

減価償却は「建物の値段を分けて経費にする」こと

アパートを買ったとき、建物の代金は買った年に一度に経費にはできません。建物は何十年も使えるので、決められた年数(耐用年数)に分けて、少しずつ経費にしていきます。これが減価償却です。毎年の確定申告で「減価償却費」として家賃収入から差し引きます。

ポイントは、減価償却費は「お金が出ていかない経費」だということです。修繕費や管理費は実際に払ったお金ですが、減価償却費は買ったときに払ったお金を、帳簿の上で毎年に振り分けているだけです。そのため、帳簿の上の所得は小さくなっても、手元のお金は減りません。

土地は償却しない。まず土地と建物に分ける

土地は使っても古くならないので、減価償却はしません。ですから最初に、買った金額を土地と建物に分ける必要があります。売買契約書に建物の価格が書いてあればその金額を使います。書いていないときは、固定資産税の評価額の割合で分ける方法がよく使われます。仲介手数料など、買うためにかかった費用も、土地と建物に分けてそれぞれの取得価額に含めます。

耐用年数は建物のつくりで決まっている

住宅用の建物の法定耐用年数と定額法の償却率
建物のつくり耐用年数償却率
木造22年0.046
軽量鉄骨造(骨格材の厚さ3mm以下)19年0.053
軽量鉄骨造(3mm超〜4mm以下)27年0.038
重量鉄骨造(4mm超)34年0.030
鉄筋コンクリート造(RC)47年0.022

建物は、毎年同じ金額を経費にする「定額法」で計算します(平成10年4月以降に取得した建物は定額法だけです)。給排水やガス、電気の設備など、建物とは別に分けた設備は、多くが耐用年数15年です。

計算例1 新築の木造アパート

計算例

建物 2,200万円・木造(22年)・7月から貸し始めた場合

  • 1年分の減価償却費: 2,200万円 × 0.046 = 101万2,000円
  • 1年目は7月〜12月の6か月分: 101万2,000円 × 6/12 = 50万6,000円
  • 2年目からは毎年 101万2,000円(最後の年は残りの金額を償却し、帳簿に1円を残して終わります)

1年目は、貸し始めた月から12月までの月数で割ります。毎年101万円あまりが経費になるので、たとえば所得税と住民税を合わせた税率が30%の人なら、税金は1年で約30万円少なくなる計算です。

計算例2 中古の木造アパート

中古の建物は、新築と同じ22年ではなく、残りの使える年数で計算できます(簡便法)。耐用年数の一部が過ぎている場合は「(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%」、全部過ぎている場合は「法定耐用年数 × 20%」です。1年未満の端数は切り捨て、2年に満たないときは2年にします。

計算例

建物 1,000万円・木造の中古

  • 築15年: (22 − 15)+ 15 × 0.2 = 7 + 3 = 10年 → 償却率 0.100 → 1年に 100万円
  • 築25年(22年を過ぎている): 22 × 0.2 = 4.4 → 4年 → 償却率 0.250 → 1年に 250万円

同じ1,000万円の建物でも、古いほど短い年数で償却するので、1年あたりの経費は大きくなります。そのかわり、償却が早く終わります。終わった年からは経費が急に減り、所得と税金が増えます。これが次に説明する「デッドクロス」につながります。

減価償却で気をつけたいこと

  • 減価償却費は、手元のお金とは別の動きをします。「黒字なのにお金が残らない」「お金は残るのに税金が増えた」というときは、まず減価償却を確かめましょう。
  • 毎年の減価償却費と、帳簿に残っている金額(未償却残高)は、次の年の申告や売るときの計算で使います。前の年の申告書の控えは必ずとっておきましょう。
  • 土地と建物の分け方や、設備を分けるかどうかで金額が変わります。迷ったら税理士に相談すると安心です。

よくある疑問

「今年は黒字が小さいから、減価償却はしないでおこう」とはできません。個人の場合、減価償却費は計上しなくても、償却したものとして扱われます。申告で書き忘れると、経費を落としたまま帳簿の金額だけが減っていくので、毎年きちんと計上しましょう。

売るときにも関係します。売ったときの利益(譲渡所得)は、売った金額から「買った金額 − それまでの減価償却費の合計」などを引いて計算します。持っている間に経費にした分だけ、売るときの利益は大きく計算されます。減価償却は税金をなくす仕組みではなく、税金がかかる時期をずらす面がある、と考えておくと分かりやすいです。

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