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デッドクロスとは?何年目に来るかの見つけ方

更新・約6分で読めます

この記事のまとめ

  • デッドクロスは、ローンの元金返済が減価償却費より大きくなった状態です。
  • 元金返済は経費にならず、減価償却費はお金が出ていかない経費なので、この2つの大小が逆になると税金が増えます。
  • 返済予定表の「元金」と、毎年の減価償却費を年ごとに並べれば、何年目に来るか分かります。
  • 中古物件では、償却が終わった翌年に一気に来ることがよくあります。

デッドクロスは「元金返済 > 減価償却費」になること

ローンの返済には、利息と元金があります。確定申告で経費になるのは利息だけで、元金の返済は経費になりません。一方で、減価償却費はお金が出ていかないのに経費になります。

はじめのうちは、減価償却費のほうが元金返済より大きいことが多く、帳簿の上の所得は小さくなります。ところが、元利均等返済では年がたつほど元金の割合が増え、減価償却は年数が来ると終わります。元金返済のほうが大きくなると、手元のお金は増えていないのに所得が増え、税金が重くなります。この逆転をデッドクロスと呼びます。

計算例 中古の木造アパート

計算例

前提(数字はすべて例です)

  • 築15年の木造アパート。建物 1,300万円 → 耐用年数10年・償却率0.100 → 減価償却費 1年 130万円(10年目まで)
  • 借入 2,300万円・金利2.0%・25年・元利均等返済 → 返済は1年 約117.0万円
  • 家賃収入 1年 240万円、管理費・固定資産税・保険・修繕などの経費 1年 50万円
  • 所得税と住民税を合わせて、増えた所得に30%かかると仮定
10年目と11年目のくらべ(単位: 万円)
10年目11年目
返済のうち利息31.229.5
返済のうち元金85.887.5
減価償却費130.00
所得(家賃 − 経費 − 利息 − 減価償却費)28.8160.5
税引前の手残り(家賃 − 経費 − 返済)73.073.0
税金(所得 × 30%)8.648.2
税引後の手残り64.424.8

家賃も経費も返済額も変わっていないので、税引前の手残りは10年目も11年目も73万円です。ところが11年目は減価償却費がなくなり、元金返済(87.5万円)が減価償却費(0円)を上回ります。所得が約132万円増え、税金が約40万円増えて、税引後の手残りは64.4万円から24.8万円に減ってしまいます。

帳簿の上では「所得が増えた=黒字が大きくなった」ように見えるので、気づきにくいのがやっかいなところです。毎年の収支は、税引前の手残りだけでなく、税金を払ったあとの手残りでも見るようにしましょう。とくに給与などほかの所得がある方は、不動産の所得が増えた分に高い税率がかかることがあるので、影響が大きくなりがちです。

新築の場合は、償却の年数が長い分ゆっくりですが、元金返済が年々増えていくことで逆転したり、15年で償却が終わる設備の分だけ経費が減ったりします。どの物件でも一度は確かめておきたいポイントです。

計算例

新築の場合の例 建物 2,200万円・木造(減価償却費 1年 101.2万円)・借入 3,500万円・金利2.0%・35年

  • 1年目の元金返済: 約69.8万円(減価償却費のほうが大きい)
  • 10年目の元金返済: 約83.5万円(まだ減価償却費のほうが大きい)
  • 20年目の元金返済: 約102.0万円 → 減価償却費(101.2万円)を上回り、デッドクロス
  • 22年あまりで建物の償却が終わると、差はさらに広がります

建物と設備を分けて償却している場合は、設備の分(多くは15年)が先に終わります。その年から経費が少し減るので、内訳ごとに終わる年を書き出しておくと、どの年に所得が増えるかが分かりやすくなります。

何年目に来るかの見つけ方

  1. 金融機関の返済予定表を用意し、1年ごとの「元金」の合計を出します(1月〜12月の12回分)。
  2. 前の年の確定申告書の控えから、建物と設備の減価償却費、耐用年数、未償却残高を確かめます。償却が何年目で終わるかも書き出します。
  3. 年ごとに「元金返済」と「減価償却費」を横に並べ、元金返済のほうが大きくなる最初の年を探します。
  4. その年の所得と税金がどれくらい増えるか、ざっくり計算しておきます。

早めに分かれば、備えられる

  • その年に増える税金の分を、今から少しずつ手元に残しておく。
  • 大きな修繕や設備の入れ替えの時期を考えておく(修繕費は経費になりますが、内容によっては資産として償却が必要なこともあります)。
  • 返済期間の見直しなどを金融機関に相談する場合は、利息の合計が増えることもあわせて確かめる。

デッドクロスは、来ること自体が悪いのではなく、気づかずに迎えて資金が足りなくなることが困りものです。何年目に来るかを知っておくだけで、慌てずにすみます。

デッドクロスは必ず来る?

借入が少ない、返済期間が短い、自己資金を多く入れたなど、もともと元金返済が小さい場合や、償却が終わる前に返し終わる場合は、目立った逆転が起きないこともあります。反対に、築古の物件を長いローンで買った場合は、償却が数年で終わるため早めに来やすくなります。どちらにしても、表にして並べてみるのがいちばん確かです。

KURANOMI

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